有限会社大黒屋建材 様
事務員なしの仕組みづくり。ひとつひとつの仕組みを現場スタッフと一緒に考える。
クライアント様の基本データ
ご相談内容
はじめに、売上管理・在庫管理・請求管理についてなど、さまざまな管理方法の現状を良くしていきたいというご相談を受けました。特に、事務員がいない中でどのように効率的に管理するのがいいのかというお悩み。現状の管理をヒアリングした内容をまとめてみると、下記のような形でした。
【売上管理】
掛売は複写式の手書き伝票、都度販売は簡易なレジという形をとっており、どの商品がどれくらい売れたか、粗利率、販売商品などの動向がつかめていないのが現状。また、商品情報(価格表)を紙媒体で管理。その価格表を確認して、販売を行っている。金額が変更になったときは手書きで金額の書き換えをしている。
【在庫管理】正確な在庫数や在庫金額を、リアルタイムで把握したい。
【請求管理】
ノートに手書きの記録をしている。
上記のどの部分から、どのように改善すればいいかというご相談です。
相談内容から見えた課題と、解決への道
おおばこオフィスでは、ヒアリングで出てきたキーワードに着目し「キーワード+課題」をベースに整理していきます。
課題の整理
まずは、3種類の管理の課題の中から【売上管理】の整理から着手することにしました。
売上管理・在庫管理・請求管理それぞれの整理を行う中で、すべての管理を一気に整理するのではなく、ひとつづつ解決していくことからはじめませんか、とご提案しました。その上で、すべての管理の土台となる【売上管理】と【商品情報(価格情報)の整理】が最初に必要という事をお伝えしました。
その後、現在の販売~レジ締めの流れをさらに詳細にヒアリング。
売上状況を把握するためには、アナログな方法だとデータの蓄積が難しいので、売上データを蓄積できるシステムを導入することが今回の課題解決には必要と判断しました。
現状のアナログ管理から大きくやり方が変わるため、特に導入初期は、業務にあたるスタッフの負荷が増える可能性が大きいことをしっかりとお伝えしました。手書きだとやりやすい方法も、システム化することで少し負担に感じられることが大いにあるためです。
一つ目の課題解決に向けた、検討と実施
step1
掛売・都度販売に対応できるシステムを様々な角度から調査・選定を行いました。並行して、ヒアリングした現状の流れを網羅できるよう、システム化した後の業務フローを検討していきます。
step2
大黒屋様にマッチしそうなシステムとしてスマレジを候補とすることに。スマレジの機能を使って、現状の流れをどれだけ網羅できるか?、どのような流れで売上処理を行うか?、をさらに具体的に検討。
スマレジの無料試用期間を使って、フローの検討・構築。懸念点を洗い出し、解決方法をご提案しました。
スマレジを選定した理由
小規模企業でも導入しやすい金額感。→継続して利用することが大切なため。
販売の設定機能が充実しており、掛売・都度販売時のそれぞれの設定が可能だったため。
step3
紙媒体の商品情報(価格表)と、実際の店頭にある商品をもとに、すべての商品情報(商品名・JANコード・原価・価格等)をスマレジへ登録する作業を行いました。約5千点。
step4
業務の流れに沿ったスマレジの環境設定・レジ周辺機器の設定のサポートを行いました。
・キャッシュドロア・バーコードスキャナ・レシートプリンタの設置
・タブレットにスマレジアプリをインストール、環境設定。スマレジと各機器の連携設定。
本番環境を整えられた後、スマレジでの売上~締めまでの方法をスタッフにレクチャーを行いました。
数日間店舗に常駐し、不明点があった際サポートしながら実運用に慣れていただくことで、スムーズな導入へとつなげるためです。
実施して見えてきたこと
紙の価格表がスマレジに変わったことで、バーコードスキャンですぐに価格がわかるものが増え販売時のスピードアップにつなげることができました。また、販売後の売上データ分析を行えるようになり、当初の悩みであった商品の動向を把握することができるように。
独自の販売方法に関して、既存のスマレジというシステムにどう落とし込むかが今回の肝となりましたが、「スマレジ」と「業務フローの整理」、2つの角度から解決策を考えたことで、大黒屋様のニーズにあった売上管理が行えるようになりました。
また頃合いをみて、他の課題である「在庫管理」「請求管理」についてもヒアリングを行い、サポートをしていきます。
使用ツール
スマレジ
課題の整理
【売上管理】の課題改善を実施、運用を約2年間行った後、課題【在庫管理】について着手しました。
以前のヒアリングでは、リアルタイムかつ正確な在庫把握をしたいということでした。この課題がクリアになれば現在の悩みの一つである、売り逃しも減るのではないかということもおっしゃっていました。また、棚卸の際は、商品数が多く棚卸作業が非常に大変になっているため、スムーズに行える方法を検討したいとのことでした。
前回【売上管理】の課題改善を行い、スムーズに運用ができたタイミングで売上管理の延長線上として【在庫管理】を行えるのではないかと考え、2つ目の課題として【在庫管理】の課題解決に向け動き始めました。
二つ目の課題解決に向けた、検討と実施
step1
発注~出荷~棚卸までのフローをヒアリング。
具体的に、どのように発注を行っているか、納品後の納品書の管理方法はどのように行っているか、棚卸作業にかかる日数・人数の確認などを行いました。その上で、日常の在庫管理を行う上で、ヒアリング内容から考えらえるメリット・デメリットをしっかりと洗い出し、お伝えをしました。
導入後に無理なく始められるイメージをしていただきたいためです。
step2
実際にどのように日常の在庫管理をおこなうか?、年1回の棚卸をスムーズにするか?、を検討しました。
前回導入した「スマレジ」を利用して在庫管理ができるため、その方法をご提案。スマレジを利用しての在庫管理・棚卸で、できること・できないことを洗い出し、その内容や実際のフローを図解し、スタッフの皆さんへ具体的なイメージを共有しました。
step3
Step2の内容を同意していただいた上で、設定方法や、注意事項・業務フローについての説明を行い、スマレジを利用してテスト運用を開始。2週間程度のテスト期間を設け、日常の在庫管理のイメージをつかんでいただきました。
都度、利用方法がわからないなどの問い合わせにも対応し、スムーズな導入をサポートしました。
実施して見えてきたこと
2週間ほどのテスト期間で運用していただいた感想を伺うと、下記のような懸念点があることが見えてきました。
・スタッフの人数が少ない
・配達など動きのある仕事が多い
・専属の事務員がいないといった理由のため、細かく情報を入れていく時間がなかなか取れないということです。
反対にメリットもあることもご理解いただけました。
・日常的に商品の動きを管理していくことで、現在の状況が一目でわかる。
・年一回の棚卸がスムーズになりそう。
全体を通しての結論としては、「在庫管理・棚卸」についての仕組みの導入は見送ることになりました。一度動き出したことを、立ち止まるという決断をするのは簡単な事ではありません。
今回は、大きな初期費用を投資しなかったこともあり、導入を見送るという選択肢をとることができたのではないかと感じています。
この課題に取り組むことにより、どのような懸念があるのかを知っていただけたこと、システムを入れることが良いことばかりではないということがわかった事例となりました。
今後、何かのタイミングで導入をすることを再検討する機会があるかもしれないですし、今回とは違ったさらに良い方法が見つかるかもしれないので、引き続き検討の余地がありそうです。
使用ツール
スマレジ
総括
当初、様々な管理方法についてお悩みを持っていた大黒屋建材様。
すべての管理方法を一気に考えようとするとなかなか大変なことですが、一つ一つの課題を順番に行うことで、導入後の負担は少なくて済みますし、今回のように一度立ち止まる、導入を見送るという判断もしやすくなります。
どこから手を付ければわからない場合、小さく考えて行くことが大事だということが分かった一例となりました。
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